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世相

昨日の日経新聞の春秋だがよく昨今の世相を読んでいる。
世相といえば、柳田國男が流行の自然主義文学の運動から離れて民俗学を構想していた頃、これとおなじような気分だったのではないだろうか。どちらかというと「そんなの関係ねえ」という気分に近かったのかもしれない。
空気を読み、顔を使い分け、即興で役割を演じる。そんな日々への倦(う)みを「関係ねえ」の連呼への喝采に見るのは深読みが過ぎるか。という春秋子の読みは私にはそのとおりだという気がする。
近年のワーキングプアの増大がもたらした最大の問題は誇りの喪失だろう。自信を持ってことにあたるという当然のことが特に若い世代には大変困難なことになっているように思える。これが日本の国の置かれた環境や、経済条件の一時的なものだとわかっていても、現実に目の前の状況は大きな圧力になって立ちはだかるという苦い経験を若者は何回もしている。団塊の世代のように数に頼んで自分たちの主張を通すことの経験もなく、世の中の仕組みに対する無力感がすぐに頭をもたげてくるというやりきれなさがこれらの流行語の背後にはたしかにあるだろう。このままで近い将来、日本の国の競争力はどうなるのか、はなはだ心もとない。

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