矛盾
韓非子の故事に盾と矛の話があるのは誰もが知るところだが、現代の情報社会で情報セキュリティに万全を期するというスローガンはこの「矛盾」を思わせる。
世の中のセキュリティ技術の大半はコスト計算と確率論を軸に構成されているわけだから、提供者側が最も安上がりのパスワード認証を使っているのをうまく使いこなせないからといって使う側の立場を批判するのは本末転倒と言わざるをえない。また、生体認証のような技術を信用しすぎるのもどうかと思う。上記の矛盾にあるとおり、技術はかならず破られるものと考えるべきで、完璧な技術を追求するのが安全にかかわる者の使命ではないだろう。なんのためにセキュリティを高めようというのか目的も手段もよく認識しないまま言葉に振り回されているとしか考えられない。防御しようとする相手、守ろうとしているものがそれぞれなにかを確認すればおのずとやるべきことも見えてこようというものだ。