業績の悪化した弱電各社が今期一斉に赤字を計上し、来期の業績回復を目指すのはよい傾向だと思う。しかし、同じく一斉に国内の工場を縮小し、中国へ生産基地を移転しようとしているのが理解できない。
世の中の人の感じていることは目先のコストの削減ではなく、長期的に安定した生産基地たりうるかという経営のビジョンの不在ではないか。経営リスクはコストの削減だけで圧縮できるのか。
中国全人代の報告でもWTO加盟の負担はわれわれ外国人に想像できないほどの大きなものの存在を感じさせる。はたして安定した状況がずっと続くのか。闇世界の利権の大きさはわが国の比ではないだろう。
これは一方でわが国の国内へ外国人労働力を入れさせないという現在の政策の是非ともからんでいる。民族主義のこれだけ強い国が世界にどれだけ発言できるのか。安全はただと思っている国民にはピンとこないだろうが、EUの民族融和の経験の歴史は多くの犠牲と失敗の結果だという教訓を忘れるべきではない。
アナン事務総長の米国牽制発言やイランのハタミ大統領の欧州との連携など、米国のやり方に棹差そうという動きはあちこちで見られる。しかし米国の動きはアフガニスタン情勢をきっかけとして世界におけるその勢力地図を大きく塗り替えようとしている。米国の中国封じ込め政策のリスクはおそらくわが国にその負担の多くが求められてくることになるだろう。国民の多くはこれを今肌で感じている。中国と直接対峙するにはわが国は余りにも政治が貧困だ。これまでの政治の背景にかろうじてあった経済力のバックが生産基地の移転でいまや骨抜きになろうとしているのだから。

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