2005年1月アーカイブ

野心をくじく法律

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ストックオプションは給与所得とするという最高裁の判断が出て、改めてわが国は法の支配が経済に優先しているという実感を持った。
米国のエンロンの教訓を目の当たりにして、ストックオプションを制度として認めるとほぼ同時といってよいくらいのタイミングで課税関係では費用と見なす方針が打ち出されていたように感じられる。しかも今回の給与所得課税だ。おそらく野心のあるイノベーターの試みはことごとくつぶされ、わが国では起業の意欲がさらに減退していくだろう。

ブッシュの演説

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ブッシュ政権の継続にあたり、就任演説を米国民が支持したという世論調査の結果が報道されている。「圧政の終結」という目標に困難だが妥当な目標だという反応だったようだ。これに関連して思い起こされるのは、9.11の直後、チョムスキーが述べた次のような言葉だ。
たしかに全国民が一致している感情がある。それは、もし犯人を見つけ出せるのなら、実行犯を捕らえ、処罰することを求める感情である。私の考えでは、おそらく大多数の人の気持ちは、相手かまわず打って出て、多くの無実の人々を殺戮することには反対である。ビンラディン自身、おそらく、グローバリゼーションや、文化的ヘゲモニー(覇権)のことなど聞いたこともないはずだ。ロバート・フィスクのように、彼に深層インタビューを行った人々は、彼が世界のことを事実上なにも知らないし、知ろうともしない、と報告している。われわれは、すべての事実を無視し、自分をいい気持ちにする勝手な幻想に耽ることもしようと思えばできる。だが、その場合、他の誰よりも、自分自身を相当危険にさらす選択であることを覚悟すべきである。
すなわち、彼の言わんとしているのは米国の人々、欧州の人々が圧政に苦しんでいると思っている人々のことを真に知らない。そして、主要メディアや知識階層一般が、危機に際して権力を支持して勢ぞろいし、大義のために一般大衆を動員するのはよくあることだという話だ。
もちろん、ここでブッシュが相手を特定して間違っているという意味でこれを書いたのではないが、危険性を知ったうえで、その銃口を向ける相手を間違わないようにして欲しいという気持ちに偽りはない。少なくとも、このたびのイラクの戦争のように、決めつけた行動で後日批判されることのないようにだけはしてほしいものである。

地震と津波の被害

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インドネシアの巨大地震の被害は津波により12万人を超えてきて、まだまだ増加している。WHOはさらに感染症の危険が迫っていると警告を発している。悲惨で気の毒な事態だ。わが国も5億ドルの無償援助を行うそうだが、なにより現地で必要としているのは食料と水、そして人的支援だろう。新潟中越地震という大地震を経験したばかりのわが国でも健康な生活のありがたみが身にしみる。ささやかだがわれわれが力になれる部分も多少はある。少なくとも米国のように裏づけの薄い無償援助よりは実質をともなっているだろう。 過去に何度も津波の被害を受けている日本では、その恐ろしさを国中で共有しているといえるが、インド洋の周囲の国々はごく一部を除き、備えがなかったようだ。天災は忘れたころにやってくるとは寺田寅彦の言葉だが、国民の記憶として天災の被害の記憶が残されていなかったとしたら、なんともやりきれない。金の問題とはいえ、目の前の課題に囚われず、長期的な問題の解決に努力することが今後も各国に求められる。

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