金融危機

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今日は日銀短観で最悪の数字が出たと報道されている。
この半年間の金融危機による急速なリセッションは、そのスピードの速さと変化の大きさでこれまで人類が経験したことのないスケールに拡大していることが伺える。
ここで私が半分は年金生活者として、半ば傍観者として感じるままにこれらの事態に対する感想を書いてみよう。
金融危機はいわゆる会計基準のもたらした結果であって、直ちに表面化している問題がそのまま実体経済の変化と同じと解釈するには無理があると考える。すなわち、リーマンの破綻にいたる前、投資家は何も問題は起こっていないと信じ、或いは信じようとして住宅ローンやその他の消費財に対する過大な期待を持っていた。そうして金融商品に対して充分な調査や知識もないのに投資してきたというわけだ。それが事実を突きつけられているだけであって、事実の変化率は何も変わっていないと考えるべきだろう。投資家やマスコミが騒ぎ立てるサイズの変化が金融部門で起こっているとは考えにくい。
現に、米国や欧州で行なわれているのは比較的健全な金融機関に対する大掛かりな公的資金の投入で、これは日本が数年前に痛みを伴って経験した信用機構を守るための王道だから、市中に供給される信用乗数効果を維持する目的があるから行なわれているといえる。納税者の反感を買わないためにオバマは公的資金投入の金融機関経営者にボーナスを返上せよと呼びかけているが、破綻していないのでパフォーマンスに終わろうとしている。
次に製造業を中心とした実物経済の危機だが、これは個人消費が縮小しているので各企業がリストラクチャリングで対応しているところだ。こういったさまざまな対応でバランスを回復し、縮小均衡が損益分岐点を低下させることに貢献していくだろう。いろいろな見方があるが、3年から5年かかってバランスを回復するのではないかというのが大方の感じかなと思う。もちろん金融部門が健全化に協力していくことが重要だ。
そうすると、問題は、大きく公的資金を投入した金融機関の回復と、これまでのわが国では考えられないような社会問題となった大幅な人員削減を実施して対応している製造業大企業の回復がどうかということにかかってくるのではないだろうか。もちろん中小企業やその他業種の大企業の動向も影響はあるだろうが、結論的には元気なところと放漫経営をしていたところの回復破行性が大きくなるものの、元気なところを中心に早期に回復軌道に戻ると考えられる。
もちろん、回復とは昨年までの量の回復という点ではなく、あらたな市場の創出による需要の盛り上がりによることとなろう。消費動向もこれまでのようにモノ中心で道路や建築に傾斜した消費ではなく、もっと個人消費のソフトな側面が主流になっていくような気がする。今回の危機は構造改革に大いに貢献することだろう。
輸出の回復はBRICSを中心に期待されているようだが、主力はわが国国内や欧州、そして現在破綻の危機にある資源国家群が中期的には実需の出る地域だと思う。米国はさまざまな消費者支援策が過度に傾斜しており、元気を取り戻すのにまだ多少時間を要するだろう。もっとも構造改革に痛みを伴うのは米国であり、欧州、日本と次いで、BRICSは国内の構造改革というより世界の経済体制の構造改革に寄与していくこととなろう。

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このページは、藤田ひかるが2009年4月 1日 21:44に書いたブログ記事です。

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