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| 海外ニュース - 10月7日(木)15時36分 |
【ワシントン=近藤豊和】イラクの大量破壊兵器の捜索を行った米調査団を統括したドルファー団長は六日、「イラクに軍事的に有用な量の大量破壊兵器の隠匿備蓄があったとは考えられない」と結論付けた最終報告書を連邦議会に提出した。ただ、報告書は、その一方で、フセイン政権の大量破壊兵器保有に向けた開発の意図は昨年三月のイラク戦争開戦まで保持され、湾岸戦争(一九九一年)以降の国連制裁下でも、フセイン政権が石油密輸などで得た莫大(ばくだい)な資金でロシアや北朝鮮からの技術供与を受けて長距離ミサイルの開発を続けていた−との脅威の実態を報告した。 大統領選挙が終盤に入り、イラク戦争が最大の焦点となっているだけに、ブッシュ、ケリー両陣営による論戦は、この報告書の内容の解釈をめぐってさらに激化するものとみられる。 報告書は、千ページに及び、(1)フセイン政権の大量破壊兵器開発に向けた戦略的意図(2)国連制裁下のフセイン政権の石油密輸や、国連の「石油・食料交換プログラム」の不正利用などで莫大な不正資金を取得した構造(3)ミサイル開発(4)核兵器開発(5)化学兵器開発(6)生物兵器開発の六章で構成されている。 ドルファー氏は報告書の提出にあたって、米上院軍事委員会の公聴会で証言し、「イラクの大量破壊兵器開発の能力や意図については、調査後もまだ不明な部分がある。同兵器が国外に運び出されたかどうかや、貯蔵の可能性にはまだ不明朗なこともある」と指摘、現在も大量の記録が新たに見つかったり、貯蔵場所についての新情報も引き続き入っていると述べた。 ただ、ドルファー氏は「こうした情報や新たな記録などの発見があっても、軍事的に有用な量の大量破壊兵器の備蓄があるとは考えられない」と結論づけた。 ◇ ≪最終報告書の要旨≫ 【戦略的意図】複数のフセイン政権元高官によれば、フセイン元大統領は、大量破壊兵器開発の強い意思を持ち続け、湾岸戦争で始まった各種の経済制裁がすべて完了した時点で、開発を再開させようと計画していた。開発の第一の理由は、イランの脅威への対抗で、第二がイスラエルとアラブ諸国の軍事的バランス確立のためだった。また、化学兵器搭載の弾道ミサイルには特に強い開発意思を持っていた。 【不正資金】経済制裁下で抜け道的に続けられたシリア、イエメン、ヨルダンなどの企業との貿易取引で七十五億ドル以上▽国連管理下で行われた「石油・食料交換プログラム」の石油会社選定での見返り金で二十億ドル▽石油密輸で九億九千万ドル−などをフセイン政権が獲得し続けた。 【ミサイル開発】国連によって射程百五十キロを超える弾道ミサイル開発が禁じられていたにもかかわらず、ロシアからの技術者の協力で、射程四百−千キロの中長距離ミサイルを開発。技術提供をめぐっては北朝鮮とも交渉を開始していた。 【核兵器】湾岸戦争直前に最終段階まで技術開発が進んでいた。経済制裁完了後の開発再開を企図した。 【化学兵器】開発意思を放棄したことはなく、フセイン元大統領の子息ウダイ氏が率いた民兵組織「サダム・フェダイーン」は、イラク戦争で化学兵器を使用するため、保有を計画していたとの情報がある。また、イラク情報機関は秘密の化学物質研究所を二〇〇三年まで稼働させていた。兵器となるマスタードガスなら数カ月以内に、神経ガスなら一年以内に製造が可能だったとみられる。 【生物兵器】湾岸戦争後も九六年までは保有を目指したが、その後は企図を縮小したものの、製造方法は保持し続けた。(近藤豊和) (産経新聞) - 10月7日15時36分更新
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