おうむ返し

 

   年とともに年々少なくなっていく年賀状。こちらが出せば先方が来ないし、今年は来ないだろうと省略したら到来する。そして喪中を互いに繰り返していく間にいつのまにかやりとりが途切れてしまう。

   正月に娘のところへ年賀状が来ていた。返事を書こうとどうやら夜遅くまでデザインを考えていたらしい。家内も夜中に目がさめたときにまだおきているのかと思ったそうだ。翌二日の朝、この頃二日の朝からバーゲンをする店があるものだから家内が娘に声をかけた。「バーゲン行くんだったらもう起きなさいよ。もう8時半よ。」「きのうは遅くまで起きていたんだね。いったい何時まで起きていたの」

   そこで娘が答えたそうだ「8時半」

   お煮しめをつまみながら家内が言った。「まったく、ねぼけているんだから。おとうさんといっしょ!」私が答える。「そうかなあ。おとうさんはねぼけないよ。」「ねぼけているとおうむ返しにしかものをいわないんだから」と家内。きっと娘はすでに起きていると思ってもらおうとねぼけた頭で必死に考えて言ったにちがいない。