トートロジー

 

    トートロジーはトートロジー

    むかし子供の頃読んだ絵本にトートロジーが書いてあって不思議な気がした。なにか別の世界があってだまされているような気がしてしかたがなかった。

    中学生になって、数学で恒等式を学んだときもなにか不思議な気がした。なぜこのようなことを教えるのだろうと思った。

    学生になってサルトルを読んだときにも同じような気持ちになった。なぜこのようなことを言う人がいるのだろう。なにか違う世界を知っている人がいるに違いないという気持ちがぬぐえなかった。

    わからないことに出くわしてそれがなにかを知ろうとするとき、ふつうのひとは外延をなぞる動きをするのではないか?同じことを追体験して納得しようとするとおもう。繰り返しは納得の手段だ。反復することは学習だ。わからないまま反復し、どうしても中に入ることのできないもどかしさは何だろう。トートロジーの神秘はこの不可解さにある。要するにわからないのだ。