危険

 

平成1455

    知らないことは安全か。システムセキュリティの問題。

    エンロン破綻のニュースを待つまでもなく、経営の抱える本質的なリスクの中に人のリスクがある。リスクの重要度の判定が経営と担当者で決定的に違っていた場合、これはやはり経営の判断の問題に帰着されるのだろうか。

    わが国の金融機関におけるシステムの抱えるリスクはこの時代経営陣が真に知らなければならないリスクといえる。報道されてはじめて自社の抱えるリスクを知るというお粗末なことではやはり経営者として失格だろう。しかしそれにしてもどこもかしこもお粗末過ぎる。

    これは良心的なシステム屋が指摘していることではなく、ましてやハッカーのたぐいの話でもないだろう。普通のシステムを知らない者でも常識的に考えておかしいことにすぐ気がつく簡単な話だと思うのだが。

 

平成14628

    ソフトに明るい者が書き込みをするスラッシュドットは良心的なのか挑戦的なのか。マイクロソフトに対しては世界中のソフト関係者が注目しているが指摘されたセキュリティホール放置されているということは素人には気味の悪い話だ

 

平成14727日 

    土壌汚染対策法が施行され、マンション適地である工場跡地の売買価格に変化が出ている。土壌の浄化は所有者の責任であるとの考え方が新たに実質的脱法行為である土の搬出、不法投棄への道を開いており最終処理がばば抜きの形で無防備なところへしわ寄せされる。ここにも遵法の正義と法のために泣かされる者の不正の発生が予感される。真の危険はなにも回避されていない。

    協和香料化学の無認可香料の問題。外国では安全とされている香料を今まで申請がないからと放置しているこの仕組みはなにかおかしくないか。国内の食品各社の被った損害は遵法の正義のための要らざる出費だ。真に危険なものを避ける安全の仕組みには程遠い。

 

平成14728日 

    日航機ニアミスの報告。人的判断と機械の判断が衝突するとき、機械を優先せよと。システムの複雑性コントロールに自信を示す。そのシステムの作成にかかる人的ミスのリスクはどのように回避されるのか。もしくは運用にかかる人的ミスはどのように回避されるのか。よくわからない。

 

平成141110

    総務大臣の行動がこれほど注目されているとは!リスクに関する常識的意見だと思うが官僚はこれをきっと無視する。ヒューマンインターフェイスのデザインとして当然の指摘ではないだろうか。

    常識的発言は時として奇異に聞こえるらしい。特に国家の税金を湯水のごとく使うことに慣れた官僚の感覚にとって、これまで積み上げた法と資金の巨大さ、そしていまさら変えられないという強迫観念により、彼等にとっての緻密な(全くもって緻密でもなんでもないのだが)網の目と相容れない発言はタブーなのだ。しかしこれが国家のリスクを増大させているということに彼等は気がついているのだろうか。メンツや自尊心のために国民を危険な目にあわせているということに気がついているはずがない。

 

平成141225日 

    平成14年のセキュリティに関する十大ニュース

 

平成15329

    ハイデガーからヤスパースへの手紙から引用

    私たちは、哲学と、原理的な学問的探求としてのその哲学の可能性とを、真剣に考えるか、さもなければ、私たちは学問的人間であるにもかかわらず、やむなくきわめて重大な過ちを承諾して、以後は私たちはあれこれの概念を取り上げつつ、曖昧模糊とした世のなかの大勢に流されながら、お喋りを続け、要望に応じて仕事をするだけにするかの、いずれかなのです。第一の方向が採られるべきであるのなら、人は、おのれのすべての「外的」および内的実存を、その成果と結末を自分としてはまだ見ることのできない事柄のために賭ける、という危険を選び取ったのです。

 

平成1582

    セキュリティに対するジャーナリストや業界の発言、そして政府関係者の発言は何も解決しないという話。昨年1110日の話の蒸し返しだが同じことを言っている

    真にものごとを解決できるのは、危険を顧みず可能性があるかないかもわからないことのために冒険を選択する開拓者だけであり、それも運がよければ解決できるということだ。偶然に頼るしかない。人智の及ぶ限界は常に存在する。

 

平成151112

    コンピュータソフトウエア著作権協会という官庁おとくいの外郭団体が、著作権・プライバシー相談を受け付けているSITEで個人情報が漏洩した。 SITEではこれを発表しているが、これはニュースだし、そもそも相談した人は大変なリスクを負うことになった。誰がこの責任をとることができるのか。おそらく、発案してこのSITEを設けようと言った官庁の役人は知らん振りをする。しかし、誰が考えても責任の所在はそこにしかない。バグのあるソフトを納入した業者にも責任があるが、本来的な責任はこの社団法人にあり、最終責任は役所にある。救いはうやむやにせず、きちんと発表していることだろう。もっとも発表しなければインターネット上でたたかれるのはめにみえているが。

 

平成16523日 

    暗号の持つリスクは人的リスクに帰着する。ハーモニックガードという試みはこれをみごとに商品化している。効果のほどは不明だが。METAMIX氏のBLOGでこれを知った

    昨年1112日に記述したコンピュータソフトウエア著作権協会(ACCS)の問題は象徴的な展開を見せている。警察はイベントの出席者ではなく、主催者でもなく、公開した個人を摘発した。そして、一方民事でもACCSは、office氏に掲示板を毎日監視するよう義務づける仮処分申請を行った。酔った勢いというBLOGBMBLOGでも紹介されているがなにか漫画的だ。お互いに大切なポイントをはずしてとんちんかんな争いを展開しているようにしか見えない。

    重要な点はまだ個人情報を確実に守れる技術も完成していないし、運用のノウハウも当事者に備わっていないという現実だ。暗号技術を完成させれば解決するものでもなく、役所がむきになってもぐらたたきをおこなえば解決するものでもない。なによりINTERNETは世界が保有するインフラであって、日本の国一国の勘違いした時代錯誤な官僚が主導権を握ってコントロールできる代物ではない。この現実をわかっていれば、仮処分を申請するばかばかしさが分かるだろう。法に基づく権利はおそらく保全されない。この恐ろしさを一般の人に知らしめるのがACCSの真の役割だと思うが、なぜか被害者から損害賠償請求をされてうろたえているだけにしか見えない。仮処分申請を認める裁判官の資質を疑う。実効の挙がらない具体性のない話だと思う。

    そしてISPの責任問題もあいまいなままだ。西村氏の経験と判断をもっと分析し、法改正に生かすべきだ。現在の法の構成方法は供給者側の論理に傾いている気がする。